ポータルラーメン橋とは

大夫興野IC橋で採用されている構造形式「ポータルラーメン橋」は、橋台と橋桁が剛結合(一体化して繋がっていること)しているラーメン橋という種類の橋の中でも、単径間(径間が一つしか無いこと)で、橋桁を支える橋台が背面から土圧を受けるようになっている橋です。

桁橋とポータルラーメン橋の違い

 ポータルラーメン橋のメリット

ポータルラーメン橋は、桁橋で使われる支承や伸縮装置の部分がないため、建築コストを抑えることができ、その分の補修の必要が無いため将来的な補修費用が安く付きます。特に雪深い新潟地方においては塩分を含んだ除雪剤を撒くことで伸縮装置等をサビさせ痛めてしまいますがその心配がなくなります。

また、伸縮装置がないため車の走行がスムーズで振動音もあまり発生しません。

大規模地震が起こっても、橋台と橋桁が一体化(剛接合)しているため、橋桁部分が落橋することもありません。

橋桁と橋台が一体化しているラーメン構造は、橋桁が動きにくいぶんだけ、桁自身の重さや荷重によって橋桁が折れそうになる力が桁橋より小さくなります。大夫興野IC橋のように架け替えによって径間(橋桁と橋桁の間の距離)が長くなると、橋桁を折れにくくするため橋桁の厚さを高く(厚く)しなければならず、それに伴い橋に続く道路の高さを変えなければならなくなりますが、ポータルラーメン橋なら橋桁が折れにくいため、橋桁の高さを低く抑えることができ、今までの道路の高さを維持することが出来ます。

ポータルラーメン橋のデメリット

ラーメン橋の構造計算(構造物が地震や雪、風に耐えられるかどうかの計算)は非常に複雑で、橋桁をかける際のコンクリート打設順序も複雑になります。そのため、私達のような専門の業者による施工が行われることになります。

ポータルラーメン橋のかけ方(施工手順)

下部工を作り、上部工施工基面まで埋戻す

1)下部工の製作と埋戻し

橋台部分を下部工といい、下部工専門の業者によって施工されます。

橋台が出来上がったら、上部工施工基面(上部工を施工する際、クレーンなどの重機を配置する基準面)まで埋め戻します。

これらの作業については下部工の業者である 新潟県 株式会社伊藤組様のホームページで紹介されています。

支保工を設置2)支保工を設置

橋桁を作るための支えとなる支保工を設置します。今回は既設の道路上の橋の架け替えとなるため、道路の通行を妨げず、通行者の視認性を確保するため、支柱式支保工という、支保工の下が通行可能な支保工を設置します。

大夫興野支保工の検討

上部工を製作3)上部工コンクリートを打設

支保工の上に型枠を組み、中に鉄筋を組み、プレストレストコンクリートにするためシースという管を配置します。そしてコンクリートを打設します。

橋桁にプレストレスをかける4)橋桁にプレストレスをかける

3)でコンクリートを打設した橋桁になる部分にPC鋼材を通し、緊張し、プレストレスをかけます。こうすることで丈夫でひび割れに強い橋桁が出来上がります。

支保工を撤去しながら高欄や排水装置を設置します5)支保工撤去と付属物の設置

支保工を片付けながら、橋梁高欄(てすり)や排水装置の施工を行います。

大夫興野IC橋完成予定図

大夫興野IC橋完成予定図

大夫興野IC橋完成しました

2016年9月12日 大夫興野IC橋完成しました