支承取り換えについて

1.なぜ支承取替えを行うのか

恵下谷北ランプ橋と県道の関係 恵下谷ランプ北橋の橋脚は、橋脚全体で考えた場合、現状では阪神大震災規模の地震に対して耐震安全性を満足していませんでした。

そのため、橋脚基部を補強する必要が出てきましたが、P2、P3橋脚は県道に隣接しているため、橋脚基部の施工は困難でした。そこで、可能な限り橋脚補強を不要とするような耐震対策を講じる必要がありました。

今回、「免震工法」と「制震工法」を合わせて施工する方法が考えられ、既設のゴム支承を免震支承へ取り替える工法が選定されました。それが、私たちが今行っている支承取換え工事です。

2.支承取替え順序

(1)ジャッキアップ

主桁の下に油圧ジャッキをセットし、主桁を3~5㎜程度持ち上げます。

ジャッキアップします
この部分を取り換えます

鋼でできた箱型の橋桁(鋼箱桁)の中から上のボルトを外してやります。

橋脚の中のボルトを外します

(2)既設支承撤去

既設支承を撤去します。恵下谷北ランプ橋では、安全性および工期短縮を考え、「ワイヤーソー」を使用し、支承下面を切断して撤去を行っています。 ワイヤーソーで支承の下を切断します

支承を支える台(承座)を切ります
支承の下を切断しました。これで支承を取り出すことができます。

(3)アンカーボルト孔削孔

新設支承のアンカーボルト孔を削孔します。恵下谷北ランプ橋では、橋桁が鋼箱桁であるため桁内部にコアドリルマシンを設置し、桁下面に孔をあけて削孔を行いました。

橋桁の中に入り、コアドリルマシンを使ってアンカーボルトの孔をあけます。
コアドリルマシンでアンカーボルト用の孔を削孔します

(4)新設支承取込み、設置

新設支承を取込み、所定の箇所へ設置した後、無収縮モルタルを打設します。 新しい支承に取り換え、アンカーボルトをさし、空いたところに無収縮モルタルを打設します

(5)ジャッキダウン

無収縮モルタルが所定の強度に達したらジャッキの圧力を開放し、主桁を降下させます。 モルタルが十分に強く固まったらジャッキを降ろします

(6)ソールプレート、ベースプレート溶接

主桁降下後、ソールプレートと主桁およびベースプレートと支承本体を溶接する。 ソールプレートと主桁、ベースプレートと支承本体をそれぞれ溶接します

(7)完了

完了です