いかるぎの大橋上部工ではPCホロースラブ橋という形式を採用しています。
PCホロースラブ橋の一番の特徴は断面がユニークなことです。
橋梁概要のところでも断面図を掲示しておりますが、橋げたの中に大きな円筒型枠を埋め込むため、外観では分かりませんが、内部は中空構造になっています。
この形は力学的に合理的なだけではなく、コンクリートが少なくて済み、薄く軽いのに丈夫な橋げたを作ることができます。
いかるぎの大橋ではライフサイクルコスト(設計から維持管理、架け替えまでの費用の総和)を考慮し、このPCホロースラブ橋という形式が採用されました。
また、PCホロースラブ橋は桁高が低いことから、軽快感、解放感がある構造となっており、砺波平野の景観に配慮した橋になっています。
PCホロースラブ橋の作り方
橋脚がすでに立っているところから説明します。
- 3) 型枠の中に鉄筋を組みます。
- 4) シースという、あとからPC鋼材(「プレストレストコンクリートとは」のページ参照)を通すための筒を配置します。
- 5)円筒型枠という橋げたを中空構造とするための型枠を設置します。
- 6) 円筒型枠の上にも鉄筋を組んでいき、最後にシースにPC鋼材を通します。
- 7) コンクリートを流し込み、機械で振動を与えて締固めします。(この一連の流れをコンクリートを打設するといいます。)
- 8) コンクリートが固まったら両側の型枠を外します。下側の型枠と支保工は残します。シースの中のPC鋼材を引張り緊張作業を行います。この作業で橋げたに圧縮力(プレストレス)をかけることで、強い橋になります。
- 9)緊張作業が終わったらシースの中にセメントを主材料としたグラウトという材料を充填して橋げたとPC鋼材を一体化します。そして端の部分はPC鋼材が錆びないようにキャップでフタをし、コンクリートで覆います。 緊張により橋げたのもとが自立したので、けた下の型枠と支保工を撤去します。
- 10) 壁高欄(防護柵)の型枠と鉄筋を組みます。
- 11)同じようにしてコンクリートを打設し、壁高欄のコンクリートが固まったら型枠を外します。ここで私たちの仕事は完了となります。
- 11)ここから他社施工部分となります。歩道部分の施工が行われます。
- 12) 他社施工により飛雪防止柵の設置や舗装が終わると完成です。